生きている間に起きたことメモ

現役引退組のひとこと

処理水という名前の汚染水

政府によれば、爆発後の核燃料デブリを冷却するために使ったあと貯めていた水は処理したあとは安全な水なので海に流すということだ。

いろんな人がそれぞれの立場で一斉に吠え始めたのは、新型コロナワクチンを打つべきか打たないべきかの大合唱のときと同じ様相である。

自分なりに考えてみた。

【説明されている概要】

福島第一原発で溶け落ちた核燃料デブリには冷却のために水が注水され、また流入を止めきれなかった地下水や雨水もデブリ接触している。

それら接触した水を海に直接流さないように浄化装置を通してから貯水してきた。

しかし、今後の廃炉処理を進める上で敷地内いっぱいに建てられた貯水タンクが邪魔になるからもうこれ以上タンクを増やせないから貯めてきた水を海に流すことにした。

処理水は2023年6月29日現在でおよそ134万トンあり、敷地内に設置されている約1000基のタンクで保管されている。

いろいろ検討したが、薄めて海に流すのが一番という結論になった、国際機関IAEAも日本の処理は正しいと言ってくれている。

経産省の説明】

Q1:「ALPS処理水」とは?

福島第一原子力発電所の建屋内に存在する放射性物質に汚染された水を、多核種除去設備(通称「ALPS」)などを使い、トリチウム以外の放射性物質を規制基準以下まで浄化処理した水が「ALPS処理水」です。ALPS処理水にはトリチウムという放射性物質が残っていますが、トリチウムは水素の仲間であり、水道水や食べ物、私たちの体の中に普段から存在しています。規制基準を満たして処分すれば、環境や人体への影響は考えられません。

Q2:ALPS処理水はなぜ処分しなければならないのでしょうか?
ALPS処理水の処分は、廃炉の安全・着実な進展と福島の復興のために必要なことです。廃炉作業を進めていくためには、敷地内にスペースを確保する必要があります。しかし、現在はALPS処理水のタンクにより多くの敷地が占有されています。このため、ALPS処理水の処分を行い、タンクを減らしていく必要があります。一方で、廃炉を急ぐことによって風評影響を生じさせることもあってはなりません。「復興と廃炉の両立」の大原則のもと、処分を進めていきます。

Q3:海洋放出は安全な処分方法なのでしょうか?
ALPS処理水の処分に当たっては、①トリチウム以外の放射性物質を規制基準以下に浄化した上で、②海水でトリチウム濃度を希釈することで、放射性物質の濃度を、規制基準を大幅に下回るレベルにします。トリチウムについては、規制基準の1/40(WHO飲料水基準の約1/7)以下にします。さらに、実施に当たっては、安全性を確保すべく、放射性物質の濃度を確認した後、福島第一原発から海洋に放出します。加えて、放出前後の状況は国際機関など第三者が確認します。 また、トリチウムの海洋放出については、世界中の数多くの原子力施設で実績があり、安全性に関する世界共通の考え方に基づいて実施されています。 ※海洋放出による環境への放射線の影響について、国際的な手法により東京電力が評価した結果、極めて軽微であることが示されました(ALPS処理水をこの処分方法で海洋に放出した場合の1年間の放射線の影響は、自然界から受ける放射線の影響の数万分の1と非常に小さいと評価されています)。本評価の技術的な妥当性については、原子力規制委員会の確認と第三者の立場としてのIAEAによる評価を受ける予定です。

【疑問】

・この水を捨てるのに30年以上かかるそうだが、それで廃炉にどんな効果があるのだろうか。そもそもデブリを取り出す方法がないし、取り出してタンク跡地にポンとおける代物ではなかなかろうに…

・貯めている水の六割だか七割だかはもう一度ALPSなどの処理が必要なほど放射性物質が含まれているそうだが、ALPSやその前処理でたくさん出てくる放射性廃棄物はどうするのか。

・下のグラフでわかるとおり、原発遮水壁の外側には政府がよく言う国際的な飲料水基準を超えるセシウム137が漂っているようだが、そもそもデブリに触れた水の何割かは直接海に流れ出ているのではないか。このあたり提言している専門家もいるようだが、国と東電は無視しているようだ。

遮水壁前放射性物質濃度

・一般に説明している内容はあたかもトリチウムだけの問題かのように伝えているのは、本当に洗脳技術が高いなと思わせてくれる。

・今回の海への排水をきっかけに、国内問題の爆発原発問題を国際問題に広げるという決断に、国会が何も絡まないというのもすごいな…